コラム

6 均等相続は不公平?~遺言・相続・遺産分割の話5~

2013年11月27日

 被相続人が遺言(遺書)を作成していないのであれば、法定相続、つまり、法律で定められたルールに従って遺産相続が行われることになります。

 民法は、被相続人の親族のうち一定範囲の者を相続人とし、取得割合を定めています。
 被相続人の配偶者は必ず相続人となります。
 ほかの親族は、配偶者とともに相続人となる、ということになるわけですが、まず、第1順位の相続人は被相続人の子です。ちなみに、相続開始時点で被相続人の子がすでに死亡していたとしても、さらにその子(被相続人の孫)がいるならば、孫が第1順位の相続人となります(代襲相続)。
 被相続人に子や孫がいない場合には、被相続人の直系尊属が第2順位の相続人となります。父母も祖父母も存命であれば、親等が近い方から相続人となりますので、まず、被相続人の父母が相続人となり、父母がいない場合に祖父祖母が相続人となります。
 被相続人の直系尊属がいない場合、被相続人の兄弟姉妹が第3順位の相続人となります。

 

 つまり、相続人としては①(被相続人の)配偶者と子、②配偶者と直系尊属、③配偶者と兄弟姉妹、という3つの組み合わせがあり得るということですね。
 この組み合わせごとに、相続人の相続分が定められています。
 ①の場合、配偶者は2分の1、子も2分の1とされ、②の場合、配偶者は3分の2、直系尊属は3分の1とされ、③の場合、配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1、とされています。

 

 そして、子(あるいは直系尊属、兄弟姉妹)が数人いる場合、各自の相続分は均等です。
 例えば、被相続人に配偶者と3人の子がいたとすれば、配偶者の相続分は2分の1、子の相続分は各6分の1、ということになり、被相続人に配偶者と3人の兄弟姉妹がいたとすれば、配偶者の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は各12分の1、ということになります。このように、法定相続では「同じ立場の者は等しく扱う」という均等相続が基本的な考え方となっています(大きな例外として、民法には、非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする、という定めがありますが、その合理性は本年9月の最高裁判決により否定されました。将来的に法改正がなされる見込みです)。

 

 ですが、均等相続は常に公平と言えるでしょうか?
 例えば、「被相続人の子」と言っても、被相続人の生前に、すでに莫大な財産の贈与を受けた人がいるかもしれません。あるいは、病床の被相続人を数年間にわたり献身的に介護し、最期を看取ったという人もいれば、若い頃に家を飛び出し、以後、音信不通であったという人もいるかもしれません。
 このような個別事情を無視して各人の相続分を平等とすることは公平でしょうか。相続人としては、相続に至るまでの様々な事情をきちんと考慮してほしいと考えるのが当然であり、そのことには理由があるのではないでしょうか。
 法定相続による不都合は遺言によってある程度は是正できますが、遺言が存在しないとすれば、不都合は全く是正されないのでしょうか?

 この問題の結論は、民法の規定によりある程度は是正される、ということになるわけですが、詳細は機会を改めたいと思います。