不動産に関するその他のトラブル・紛争(個人の皆様に)

不動産に関するその他のトラブル・紛争の一例として、次のようなものが考えられます。

 

境界(筆界)

土地と土地の境目である境界(筆界)が必ずしも明らかでない、というケースは多々あります。
境界が不明のため、隣人間でトラブルとなることがありますし、また、その土地を売却するなどの処分ができない、ということがあります。
また、元々は隣人同士で境界の位置について明示、あるいは黙示の了解があり、何ら紛争となっていなかったのに、相続などで代替わりすることで紛争が生じるケースもあります。

境界は、公法上のものであって、私人が所有権を有する土地の範囲(所有権界)と必ずしも一致しません。境界は、遡れば明治時代以降に定められたものであることから、過去の資料を調査・検討する必要があります。

隣地所有者間で合意が形成できないならば、裁判所における法的手続(調停、あるいは訴訟)を検討することになります。裁判所ではなく、土地家屋調査士会が主催する筆界特定手続の利用を検討するべき場合もあります。

 

土地の不法占有

所有する土地上に、見知らぬ自動車が放置されているなど、土地が不法に占有される場合があります。法律的には、土地所有権に基づき、妨害排除を請求できることになりますが、そのためには、まずは請求の相手方となる自動車の所有者を特定せねばなりません。これには一定の調査を必要とします。

所有者が特定できても、対応を拒否するとすれば、訴訟手続などの法的手続を通じて請求を実現することになります。

 

マンション管理

分譲マンションは区分所有建物であり、管理には特有の法律問題があります。

一部の区分所有者が管理費の支払いを怠っているような場合、マンション管理組合はどのような対応をするべきでしょうか。管理費は毎月継続的に発生するものであり、不払いが継続し、未払額が累積すればその解消が困難となることからすれば、早期に滞納状態を解消する必要があります。法的手続を選択するべき場合もあるでしょう。

また、上階からの水漏れが生じた場合、原因部分の修理費用や、水漏れによる損害の補填費用は誰が負担するべきものでしょうか。

マンション管理の問題は隣人トラブルでもあり、平穏な生活を回復・維持するためには、早期かつ円満な解決が重要であることはもちろんですが、そのためには訴訟手続ではない他の手段を選択することが相当な場合もあるでしょう。

 

事実関係の把握と解決見通しの検討

不動産に関するトラブル・紛争を法律問題として解決することを目指すのであれば、裏付けとなる資料を踏まえ、事実関係を把握し、これを前提として法律を適用するとどのような結論を導き得るかを検討する必要があります。

まずは、ご相談下さい。トラブル・紛争の早期解決に向け、共に一歩を踏み出しましょう。

 

(参考)
民事事件はどのような過程を経て、解決されるのでしょうか。弁護士はその過程にどのように関わるのでしょうか。 

民事事件の解決過程と弁護士の関与

 

弁護士 八木 俊行

伏見通法律事務所
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