コラム

42 結婚と離婚の法律問題(4) 社会の変化と法改正

2019年03月4日

先回からの続き

 6か月間の再婚禁止期間を定めていた改正前の民法第733条の条文は、明治29年の現行民法制定当時から存在したわけですが、最高裁判所平成27年12月16日判決では、立法当時は、「専門家でも懐胎後6箇月程度経たないと懐胎の有無を確定することが困難であり、父子関係を確定するための医療や科学技術も未発達であった状況の下において、再婚後に前夫の子が生まれる可能性をできるだけ少なくして家庭の不和を避けるという観点」などから「一定の期間の幅を設けようとしたものであったことがうかがわれる」などとして、再婚禁止期間を6か月と定めたことは不合理ではなかった、とも述べられています。

 明治の立法当時には特段不合理ではなかった再婚禁止期間に関する法律の定めが、平成の現代においては、過剰な規制であるとして憲法違反と判断された、ということです。

 時代や社会状況の変化と共に、あるべき法律の内容もまた変化することを示す一例と言えるでしょう。

 

 ところで、本年2月、同性婚を認めない現在の日本の法制度は、憲法が保障する婚姻の自由(憲法第24条1項)や法の下の平等(憲法第14条1項)に違反することを理由に、国に対する損害賠償を求め、各地の裁判所に一斉に訴訟提起がなされた、という趣旨の報道がありました。

 たしかに、現在の法制度では、婚姻は男性と女性がするもの、とされています。それは、当然ながら、立法当時において日本社会で広く共有されていた常識であったのでしょう。

 しかしながら、私は詳細まで把握しておりませんが、海外には、すでに同性婚を認める国がいくつかあるということです。そして、昨今、日本でも、性的マイノリティに関する様々な問題が広く知られるようになり、問題意識も共有されるようになりました。

 日本でも、婚姻は男性と女性がするもの、という現行の法制度は憲法違反である、との司法判断が示される、あるいはそのような問題意識を踏まえて法改正がなされるなどする時が、いずれやってくるのかも知れません。

続く

弁護士 八木 俊行

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