コラム

2 遺言(遺書)は形式も重要です~遺言・相続・遺産分割の話2~

2013年09月20日

 遺言(遺書)はどのように作成してもよい、というものではありません。
 民法の定める一定の方式に従わなければ、無効です。
 ですから、遺言は、どのような内容とするのかが重要であるのはもちろんのこと、形式面も重要なのです。

 

 民法が定める遺言の形式としては、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」、「一般危急時遺言」、「難船危急時遺言」、「一般隔絶地遺言」、「船舶隔絶地遺言」の7種類がありますが、一般的に作成を検討するのは、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」のいずれかではないでしょうか。

 

 まず、「自筆証書遺言」は、その名の通り、遺言者が自筆で作成するものです。
 遺言のうち、どの部分を自筆で記載する必要があるのでしょうか。
 例えば、本文をパソコンで作成し、これをプリンターで印刷したものに遺言者が日付と氏名を自書した場合、有効でしょうか。
 民法では、「自筆証書遺言」は、全文、日付及び氏名を自書し、さらに印鑑を押印しなければならない、とされています。
 これらが「自筆証書遺言」の要件ですので、先ほどの例のように、本文をプリンターで印刷したのでは「自筆証書遺言」としては有効にならない、ということになります。

 

 次に、「公正証書遺言」は、公証人役場で公証人に作成してもらうものです。
 民法では、「公正証書遺言」は、証人2人以上の立ち会いのもとで、遺言者が遺言の内容を公証人に口頭で述べ、公証人はこれを筆記し、遺言者及び証人に読み聞かせ、遺言者及び証人が筆記が正確であることを承認した上で署名押印し、さらに公証人が法定の方式に従って作成したものであることを付記し、署名押印しなければならない、とされています。
 これらが「公正証書遺言」の要件ということですね。

 

 「公正証書遺言」は、公証人が作成に関与することから、要件を欠き無効となる、などということは一般的には考えがたいことですが、第三者の関与が求められていない「自筆証書遺言」を作成される場合には、要件を欠くことがないよう注意する必要があります。
 実際に、自筆証書遺言の有効性が争われ、最終的に無効であると判断された裁判例はたくさんあります。
 また、例外的ながら、公正証書遺言が無効であると判断された裁判例もあります。
 いったいどのような場合に遺言は無効となるのでしょうか。
 また機会を改めて書きたいと思います。

弁護士 八木 俊行

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